口腔内の善玉菌を増やしてむし歯・歯周病を予防しよう

口腔内には数百種類もの細菌が棲んでいますが、その中で頼もしい役割を果たしているのが善玉菌です。善玉菌が多いと、むし歯や歯周病のリスクを下げることができます。しかし、現代ではこの善玉菌が活躍しやすい環境を保つことが難しくなっています。

今回は、善玉菌を増やすための食生活や口腔ケアについてお話しします。

口腔内で働く善玉菌とは

私たちの口腔内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つの細菌が存在しています。

善玉菌

口腔環境を健康に保つ役割があり、むし歯菌の働きを抑えて歯を守ったり、歯周病菌の増殖を防いで歯ぐきの炎症を抑えたりします。代表的な善玉菌として、ビフィズス菌と乳酸菌があります。

悪玉菌

むし歯や歯周病を進行させる原因菌のことです。代表的な悪玉菌として、ミュータンス菌とポルフィロモナス・ジンジバリス菌があります。

日和見菌

善玉菌と悪玉菌のうち優勢な方に加勢してその働きを助けます。
3つの菌のバランスを保つことが、口腔の健康寿命を延ばすための大切なポイントです。

食生活の見直しで善玉菌を増やす

善玉菌を増やすには、食生活の見直しが欠かせません。
発酵食品や食物繊維が豊富な野菜・果物は善玉菌のエサになるため、善玉菌が口腔内に定着しやすくなります。
また、よく噛む習慣を付けると、唾液が増えることに伴い口腔内が洗浄され、善玉菌が活動しやすい環境が整います。このように善玉菌を口腔内に増やすと、むし歯や歯周病の原因菌であるミュータンス菌やポルフィロモナス・ジンジバリス菌の働きを抑えることができます。
一方で、口腔内が乾燥すると悪玉菌が増えやすくなるため、こまめな水分補給や鼻呼吸を意識し、常に口腔内のうるおいを保つことも大切です。

プロバイオティクスの効果的な活用

プロバイオティクスとは、体に良い影響を与えて口腔内の菌バランスを整える微生物のことです。
ヨーグルトなどプロバイオティクス入りの発酵食品や、同じ成分を配合した歯磨き剤などの口腔ケアグッズがあり、これらを日常的に取り入れることで、善玉菌を効率的にサポートできます。

プロバイオティクスの継続的な摂取は、悪玉菌の増殖抑制や歯ぐきの炎症や腫れを軽減し、歯周病リスクを下げることにもつながります。ただし、プロバイオティクスだけではむし歯や歯周病は予防できません。あくまでも補助的手段と考え、口腔ケアの一部として活用しましょう。

善玉菌のバランスを保つ正しい口腔ケア

善玉菌のバランスを保つには、正しい歯磨きを意識するなど、毎日の口腔ケア方法を工夫することが重要です。さらに、定期的に歯科検診を受けてプロによるケアを取り入れると、見逃しがちなトラブルも早めに防ぐことができます。

一方で、口腔ケアを意識して強い殺菌作用のあるうがい薬を頻繁に使いすぎてしまうと、善玉菌まで減らしてしまう可能性があります。適切な使用頻度を守り、またうがいの変わりにフッ素(フッ化物)入り歯磨き剤などを使うなど、バランスを取ることが大切です。

まとめ

善玉菌は口腔内の酸性度(pH)を整え、むし歯や歯周病進行を防いでくれます。
食事をよく噛んで唾液の分泌を促し、口腔内を潤すことで、善玉菌が活動しやすい環境が整います。
当院では唾液の分泌を促す唾液腺マッサージの方法などをお伝えし、より良い口腔環境づくりのサポートをしていますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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